そうか、そうか

~とあるSIerの、哀と涙の軌跡~

vSANのシャットダウンが簡単になりましたね~

どうも、皆さん。私です。

 

今年ももう終わりつつありますが、最近1年があっという間に感じます。

人生の体感速度としては、20歳までと20歳以降は同じらしいです。

 

私も20代前半は何をしていたか全く思い出せませんが、

振り返ったときに、「あの時はあんなことしてたなぁ」と印象に残るような生き方をしたいですね。

 

さて、今回は超絶親切になったvSANのシャットダウンについて、ご紹介したいと思います。

 

 

そもそもvSANにはトラウマが。

 

2年ほど前、とあるプロジェクトで月残業が80時間を超え、疲弊していた私は、ようやくプロジェクトが終わり、「やっとゆっくりできる!」と、喜んでいました。

 

ところが、そんな疲弊しまくりんぐな私に次ぎのような連絡来ました。

 

上司「ごめんなんだけど、とあるお客様のところでトラブってさ。悪いんだけどヘルプしてくんない?」

ワイ「あーーーーー・・・・・・・・・・・・はい、わかりました・・・」

 

上司からの直々のご命令です。

逆らえるはずもありません。

 

ということで、残業で疲弊している老骨に鞭をうち、お客様先に飛びました。

内容は、「vSAN」に関するトラブルでした。

 

いざ現場についてみると、vSANがとんでもない状況になり、お客様のシステムは停止…。

 

ピリつく現場。

おろおろする作業員。

そして、疲弊してる私。

 

 

「俺、なんでこんな現場来ちゃったのかなぁ・・・」

なんというか、軽く地獄1町目でした。

 

その後、vSANは無事修復されたのですが、今でもvSANというキーワードを聞くと思わず身構えてしまいます。

 

さて、どうでもいい過去語りをしてしまいましたが、

そのような経緯もあり、vSANの扱いには、今でも神経を結構使います。

 

そんなvSANですが、おそらくvSANガチ勢の方であってもやりたくないであろう作業トップ3に入る「全停止」(※個人の偏見に基づく)について、7.0 Update3から、とんでもなく簡単になりました。

 

たまたま、その機能を試す機会があったため、ご紹介したいと思います。

 

君の名は。

その名も、「クラスタシャットダウン」機能です。

 

vSANの停止には、本来とても面倒な手順が発生します。

 

1.vCenter以外のマシンの停止

2.vSphere HAの無効

3.vCenterの停止

4.メンバーのESXiホスト上で、クラスタメンバ更新無効コマンドを実行

5.1台のESXiホスト上でreboot_helper.pyを実施

6.ESXiホストをメンテナンスモードへ移行

7.ESXiをシャットダウン

 

( ゚Д゚)…

 

あのさ…書いておいてなんだけど、面倒すぎない?

 

なんというか…水属性ポ〇モンをミ〇ウに変える裏技並みに面倒です。

 

だって、普通の外付けストレージなら、マシンを止めて、ホストをメンテナンスモードにして、シャットダウンするだけだよね?

(まぁ、ストレージも種類によってコマンド打たないといけないから面倒だけど。。)

 

この面倒臭さを劇的に改善してくれたのが「クラスタシャットダウン」です。

 

これを使えばあら不思議。

上記の2~7をすべて自動でやってくれます。

 

最初から実装しててくれよ…と思いましたが、簡単になるのは大歓迎。

また一つ、vSANが便利になった喜ばしいアップデートだと思います。

 

 

実際にやってみた

さて、「クラスタシャットダウン」では、

vCenterのクラスタを右クリックしたときのメニューとして「クラスタのシャットダウン」という項目が新たに出来上がります。

 

1.vCenter Server Applicance以外の仮想マシンをすべて停止(vCLSは止めなくてOK)

2.クラスタのシャットダウン

 

たったの2工程です。

 

クラスタグループを選択して、右クリックメニューから、[vSAN]-[クラスタのシャットダウン]を選択します。

 

クラスタシャットダウンを選択すると、まずチェックが走ります。

おおおおお、しゅ、しゅごい…🤤🤤🤤

なんかいっぱいチェック走ってる!

vCenter Server Applicanceで警告が出ていますが、それでもシャットダウンプロセスは進められるので、無視して次に進みましょう。

 

vCenter Serverの通知という画面が起動します。

 

色々書いてくれてますが、vCenterも勝手にシャットダウンしてくれるそうです。

よく読むと、凄いことに「ESXiホストを起動したら勝手にvCenter Serverも起動してくれる」そうです。

 

え、起動まで制御してくれんのすごくない?

 

次に、シャットダウンの確認です。

シャットダウンする理由を書いておきましょう。

 

これで、

上に書いてる面倒なvSANクラスタの停止処理をやってくれて、

しかも、ホストのメンテナンスモードと停止までやってくれます。

 

試しにESXiに入ってみたら、

確かに、メンテナンスモードになってる!

何て至れり尽くせりっっっ!!!!

 

まるで通販番組の「今ならこれもセットで!しかも、このお値段で!」のくだりを見ている気分です。

 

ちなみに、この間ESXiホストでは、以下のようなタスクが実行されています。


こうなると基本的に、人の手でできることは何もありません。

おとなしく、人事を尽くしてこのタスクが完了するのを待ちましょう。

 

しばらくすると、ESXiホスト(物理サーバー)もシャットダウンされます。

 

使ってみた感想。

まず、3ノードのvSAN環境で試したのですが、

停止まで20分近くかかりました。

この20分が長いのか短いのかはわかりませんが、体感的には結構かかるなぁ、と思いました。

 

本当に止まるのか?

妙な不具合出て止まったりしないよね?

とドキドキしながら、停止までの20分を過ごしました。

 

ホストの台数に比例すると思うので、停止計画を立てるなら、時間は余裕を見ておいたほうがいいと思います。

 

しかし、まさかシャットダウンがESXiのホストまでちゃんと落としてくれるというのは、マジですごいです。

 

VMware Cloud on AWSなどのSaaSサービスも普及したことから、基盤を管理するVMware社としても、負担を減らすべく実装した機能を、オンプレミス版にフィードバックしたのかもしれませんね。

 

ではでは。