そうか、そうか

~とあるSIerの、哀と涙の軌跡~

気づいてましたか?このコンポーネントの存在に…

こんにちわ。

 

緊急事態宣言が続々と出ている中、私用で外出しなければならない機会があったのですが、緊急事態が出ようが出なかろうが、人の生活は何ら変わりませんね。。。相変わらず、都心に出れば人がひしめきあってます。

 

あまりに長期の在宅勤務のせいで、昨年6月に配属された新人の顔が思い出せなくなりつつあります。

 

COVID-19のワクチンの話しが出つつありますが、ワクチンの効果は、

 

感染力が落ちる

感染者が徐々に減る

ウィルスが宿主をなくし、沈静化する

 

という流れになるそうですね。

緩やかでもいいので、沈静化してくれればうれしいですね。

そろそろ、飲み会行きたい。

 

さて、今回は少し原点回帰して、クラウドではなくオンプレミスのvSphereで、7.0 Update1 から追加された『vCLS』について、2回に分けてご紹介しようと思います。

It's no money(いつの間に)そんなコンポーネントが…

私も全然気づいていなかったのですが、これは7.0 Update1から追加された機能のようです

クラスタグループを構成し、ホストを追加したタイミングで自動でデプロイされます。

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名前は、そのままvCLS(n)です。数字がついていることからわかるように、2個目・3個目と複数作られる可能性があります。

 

作成される台数については、VMwareのドキュメントに記載があります。

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なお、作成されたvCLSのスペックです。

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1CPU 2GBとかなりsmallなアプライアンスですね。

そして、見ての通り、ネットワークを持ってません。

なので、これ用にIPアドレスを払い出さなきゃ!ってことにはなりません。

 

まずは、こうしたコンポーネントが追加されるようになったんだなぁ、

ということをしみじみと感じてください

 

ん?ちょっと待って、結局これは何者なの?

vSphere 7.0 Update1で追加されたこれは、

「vCenterに依存するサービス(主にDRS)」の依存度を改善するコンセプトのものと作られ、vCenter Serverが持つクラスタ管理機能が割り当てられたものです。

 

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仮に、vSphere DRSなどのサービスを思い浮かべてほしいのですが、

これは、vCenter Serverありきのサービスです。

vCenter Serverに障害が発生すると使用できなくなります。

(※vSphere HAは、vCenter Serverなくても動きます。)

 

こうした弱点を解消するため、vCLSが存在するようですね。

 

試さずにはいられない。vCLSの停止。

こういう説明を書くと、どうしてもいろんな動作を見てみたくなります。

このvCLSですが、このような注意書きが仮想マシンのメモにあります。

 

vSphere Cluster Service VMは、PhotonOSの最小限のインストールプロファイルを使用してOVAからデプロイされます。vSphere Cluster Serviceは、これらのVMのリソース、電源状態、および可用性を管理します。vSphere Cluster Service VMは、vSphere ClusterServiceの正常性と可用性を維持するために必要です。これらのVMの電源状態またはリソースに影響を与えると、vSphere Cluster Serviceの状態が低下し、vSphereDRSがクラスターの動作を停止する可能性があります。

 

はい。

つまり、vSphere DRSの命は、vCLSに握られているということですね!

 

なお、上記の文章にある「vSphere Cluster Service」の健全性は、クラスタグループのサマリ画面から確認が可能です。

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では、実際に軽ーーーーーーい気持ちで止めてみましょう。

すると・・・

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上記のような警告がでました。

訳すと、

Sphere Cluster Servicesは、このVMのリソース、電源状態、および可用性を管理します。vSphere Cluster Service VMは、vSphere ClusterServicesの正常性と可用性を維持するために必要です。これらのVMの電源状態またはリソースに影響を与えると、vSphere Cluster Servicesの状態が低下し、vSphereDRSがクラスターの動作を停止する可能性があります。詳細については、KB 79892を参照してください。

という感じで、vSphere DRSが止まるぞゴラァ って怒られます。

 

ここは、AKY(あえて、空気、読まない)に定評のある私は、もちろん「はい」を選択します。

 

vCLSが停止すると、Cluster Serviceに警告がでます。

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ところが!

 

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なんと30秒待たずして自動で電源が入るではありませんか…

 

はい。

実は、このコンポーネント「自己修復」型です。

停止しても、自動で上がってきます。

 

クラスタサービスの重要なコンポーネントということもあって、この辺りは親切なつくりになっていますね。

 

よろしい!ならば削除だ!

このvCLSですが、権限は特に縛られていません。

なので、管理者権限さえあればパワーオンだろうがオフだろうがすべての操作が可能です。

 

停止しても自動で起動してしまうなら、削除してやれば流石に復活しないだろ…

泣かぬなら 殺してしまえ ホトトギス

織田信長はいいこと言いますね!

 

さて、消しました!

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なんと削除とほぼ同時に、次のvCLSが自動でデプロイされました(笑)

 

これはすごいですね。

流石、重要コンポーネントです。

 

ユーザーが間違って操作してしまっても、即座に復旧できるための仕組みが確立されているようです。

 

 

というわけで、今回は7.0 Update1から追加された「vCLS」について、ちょこっとだけご紹介しました。

 

これからのサイジングでは、このコンポーネントのリソースも含めて考える必要がありますね。

 

次は、DRSを使わない場合はどうすればいいのか?など、もう少しvCLSについて触れようと思います。

 

ではでは。