そうか、そうか

~とあるSIerの、哀と涙の軌跡~

リレーサーバーにサヨナラbyebye ~ vCenter、SMTP認証できるってよ。編 ~

つい先日、工事現場に「作業徹底項目」の一覧が貼ってあったので、じっくりと見てみました。

 

すると、

 

1に養生!2に養生!3,4が無くて、5に養生!

と書かれていました。

 

これを見て私は、

いや、3,4も養生はいるだろう…と思いました。

 

工事現場の方は、この微妙に徹底されていない項目を見て、戸惑ったりしないのでしょうか…

 

 

今回は、オンプレミスのvSphere 7.0 Update1で変わった項目を触ってみよう!シリーズの第3弾として、『SMTP認証に対応したvCenterメール機能』をご紹介したいと思います。

 

 

これ!本当に待ってたんだよ!

vCenter Server 7.0 Update1の地味に嬉しいアップデート内容として、

リリースノートに以下の記載を見つけました。

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ま、まじかよ・・・。

ついに、SMTP認証いけるようになったのか。。。

 

vCenterは、2.5・4.0・4.1・5.0・5.1・5.5・6.0・6.5・6.7と触ってきましたが、ようやく!SMTP認証に!対応!したんやて!!!!

ちなみに、6.7Update3jでも対応していたそうですよ

 

少し冷静になったところで

そもそも従来は、SMTP認証に対応していなかったため、SMTPサーバーとの接続に認証が必要な場合、vCenter Serverのメール機能は使えませんでした。

 

いや、正確には使えなくもないのですが、

vCenter ServerとSMTPサーバーの間にWindowsSMTPリレーサーバーなどを介する必要があり、ひと手間必要だったのです。

 

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↑従来は、設定項目がこれだけしかなく、認証情報などを入れられない。

 

私も、何度かリレーサーバー使ってvCenterのアラートメール飛ばしたりしたのですが、リレーサーバーを使うと、不具合や動作不良も多く、

実際、VMwareのKBなんかでもリレーサーバー利用時のものが結構あります。

 

VMware vCenter Server Appliance から送信された E メールが拒否される (2073849)

https://kb.vmware.com/s/article/2073849?lang=ja

 

Email alerts not working after upgrading to vCenter 6.5 U1 (49725)

https://kb.vmware.com/s/article/49725

 

こうした煩わしさから解消されるのは、ありがたいですね。

 

どーやって設定するの??

SMTP認証の使い方は、VMwareドキュメントでも「英語版」の方にしか記載がありません

 

設定箇所は、vCenter Serverの[詳細設定]の中です。

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項目が多いですが、[名前]で検索ができるので、活用しましょう。

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↑ mail と打てば目的のものにヒットしやすいです。

そうすると、以下のような項目がヒットします。

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[サマリ]列の説明から一目瞭然だとは思いますが、ターゲットになるのは以下の項目です。

 

mail.smtp.username (SMTPサーバーのユーザー名 を入力)

mail.smtp.password (SMTPサーバーのパスワード を入力)

mail.smtp.port (587 を入力)

 

の3つです。

特に最後のmail.smtp.portは、よく忘れ去られがちな項目で、SMTPの認証ありのときは、25番ポートではなく別のポート番号(587)を使います。

 

ちなみに、パスワード入力欄は、SecureStringになっていないため、

vSphere Clientにログインできれば、パスワードはそのまま見えてきます。

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ただし、注意点も…

SMTPサーバーで、「匿名」ではなく「SMTP認証」を使用する場合の条件として、

VMwareのドキュメントには以下のような記載があります。

 

SMTP authentication is available for:
vSphere 7.0 Update 1 and later versions only.
Office 365 mailbox users only.
SMTP mail sender should meet the basic requirements for SMTP Authentication as mentioned in Microsoft's document Requirement for SMTP AUTH client submission.

 

SMTP認証は次の目的で使用できます。
vSphere 7.0 Update1以降のバージョンのみ。
Office365メールボックスユーザーのみ
SMTPメール送信者は、MicrosoftのドキュメントSMTPAUTHクライアント送信の要件に記載されているSMTP認証の基本要件を満たしている必要があります。

For SMTP authentication, you must enter the mail server name as smtp.office365.com, unless you have some customized configuration.

Do not use IP address as mail server as IP address is not supported for SMTP authentication.

 

SMTP認証の場合、カスタマイズされた構成がない限り、メールサーバー名をsmtp.office365.comとして入力する必要があります。

SMTP認証ではIPアドレスがサポートされていないため、メールサーバーとしてIPアドレスを使用しないでください。

 

Office365利用時には、使用できるSMTPサーバーが、smtp.office365.comに決まっているということ。

SMTP認証時は、「IPアドレスが使えない」ということ。

 

こうした条件があるんですね。

 

SMTP認証が解禁されるなど、クラウドに負けずオンプレミスもまだまだ便利になっていきますね。

 

6.7使用の方でも、Update3jからは同じようにSMTP認証が使えるそうなので、使用を検討されている方は、バージョンアップも検討してみてもいいかもしれませんね。

 

ではでは~。